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2011.09.15

【アポロとカイザー】 振り返ってみたら30年 《3》

国際宇宙ステーションの船内をフワフワと漂いながら地上の子供と交信する宇宙飛行士。毛利さんに始まり向井さんや若田さんやら野口さん、山崎さんなどの日本人宇宙飛行士の姿も、最早珍しいものではなくなりました。彼らは地上と変わらない格好をして、上も下もない船内を自由に動いていますが、実は無重力の宇宙空間で、地球上での暮らしを前提に進化してきた人間の身体を正常に保つためには厳しい訓練が必要です。

船内活動.JPG

その理由のひとつに、宇宙空間での筋力の維持があります。重力の影響がほとんどない環境の中では、どんなに重いものでも労せずして動かせてしまう。筋肉に対する負荷を与えられないというのが致命的なのです。空気がないから呼吸できない、というだけではありません。筋肉はろくに働く必要もなく、その状態で長期間宇宙に滞在していると、筋肉は廃用性委縮が起こり、骨からもミネラルがどんどん失われ、地上に戻った時に立つこともできなくなってしまうのだそうです。

宇宙空間で筋力を保つために必要な負荷をどう与えるか、というのは宇宙での滞在期間が長くなればなるほど、重大な問題です。どんなに重いバーベルを持っていこうと、宇宙空間では指1本で動かせてしまいますからね。『重たいモノ』は、宇宙では筋力トレーニングの役に立たないのです。宇宙開発の副産物をSpin Offと呼んでいましたが、アポロエクササイザーも立派な宇宙開発の生んだ道具、「重さ」の代わりに「摩擦」によって起こる抵抗を利用して筋肉に負荷を与えるというものでした。

KDBラバーダンベル small.jpg

その利点に加え、この道具が優れていたなぁと今でも思う理由は、動かしながら摩擦の抵抗を簡単に調節できる、ということでした。その原理は、高所からロープを自重や手動でコントロールしながら人や物を降ろしてくる、緩降機という用具と同じです。トレーニングに使う側でない方のロープをわずかな力でコントロールして、トレーニングに使う側の負荷を変化させられるので、関節角度によって筋肉の発揮する力が変化するのに応じて、必要な負荷が与えられるという目からうろこの負荷設定が可能なのでした。

宇宙開発は第二次大戦後、東西の緊張の中で、いわば軍事的な必要性に裏打ちされて一挙に進んだ感がありますが、運動生理学なども米ソの対立の中で軍事的な意味合いを含んで研究され、他の分野の研究や技術の進歩と手をとりあうようにして研究されました。筋の収縮に関するいまやトレーニング関係者には常識となっていることも、そのころ次々に分かってきたのです。

効率のよいトレーニング方法が新しい知見、仮説に基づいて提唱され、研究によって裏付けされたり誤りを指摘されたりしてきました。トレーニング界にも新しい情報が次々にもたらされ、それを土台にして様々なマシンが工夫され、いま考えてみるとマシンの形、機構に製作者の考え方がまっすぐに投影されていた、面白い時代でした。

(文責:栢野由紀子)
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