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2011.10.07

【アポロとカイザー】 振り返ってみたら30年 《4》

30余年前、デニス・カイザーが『重たいモノ』の代わりに『空気の力』を使ってトレーニングマシンを作ろうとしたのは、後に実際宇宙船に搭載され、宇宙でのトレーニングに使われた特別製カイザーもありますが、宇宙で使えないからという理由だけではありません。重力に支配された地球上で使うからこその課題をクリアするための解決策を求めて、という方が切実なチャレンジでした。

4 Weightlifting.JPG

100kgのバーベルは、床の上に置かれていても、二本の腕で高々と持ち上げられるときも、100kgは100kg、とつい思ってしまいます。ところが実際には、速いスピードで動かせば動かすほど、腕にかかってくる100kgの「重さ=負荷」は軽くなってしまう。つまり、100kgの負荷を必要としてトレーニングを組んでも、実際には100kgの負荷を与えられない、ということになってしまうのですね。

これは地球上という条件下で質量をもつものが等しく縛られているという『ニュートンの法則』、つまり『運動の三法則』(第一法則=慣性の法則、第二法則=運動方程式、第三法則=作用・反作用の法則)がバーベルにも働くからなのです。慣性の法則の世界で生まれた時から生活しているので、改めて考えることのない当たり前のことですが、一言でいえば、止まっているものはずっと止まっていたがるし、動いているものはずっと動いていたがる、ということです。

4 慣性象.jpg

ごくごく荒っぽく言うと、そのために止まっているものが動くときには、動く速度が加速しているときはその物体の重さが速度の変化率につれて負荷となってかかってくる(合わせて動かす物体が受ける摩擦によっても負荷は大きく変わります)、ということなのです。一番身近な実体験としては、エレベータに乗った時の「感覚」で分かると思います。止まっていたエレベータが動き始めるとカラダは押しつけられるように重く感じますよね。

エレベータの速度が一定になると普段の自分の重さに戻ったように感じ、反対に止まるときにはエレベータは機械の力で減速していきますが、乗っている私たちのカラダを押さえつけるものはないので、エレベータの速度のまま動き続けようとして、なんとなくふわりと浮きあがるようなカラダの軽さを感じるのですね。私たちのカラダはふわりと浮きあがりそうになりますが、エレベータを動かしている機械の方は、動きを止めるために必死でエネルギーを使っているわけです。とはいえ、近頃のエレベータは地上60階をあっという間に昇ったり降りたりしますが、加速のかかり方のコントロールが非常に洗練されてきているので、昔のエレベータほどこの「実感」が得られないのはちょっと寂しい気さえします。

4 エレベータ.jpg


これが100kgのバーベルの上げ下げにも働いてきます。そのバーベルの上に乗っているコオロギがいれば、彼だか彼女だかはエレベータの中の私たちと同じようなセンセーションを感じるのでしょうね。バーベルを上げ下げするアナタはいわばエレベータの機械となるわけで、この際空気の摩擦は無視するとして、床から引き上げるときには100kgそのものを動かすことになりますが、バーベルが動き出してしまえば100kgの重さはもうかかりません。逆に頭上まで押し上げ終わる寸前までに、バーベルが押し上げられるスピードですっ飛んで行ってしまわないよう、ちゃんと頭上で止まってくれるように減速して重さを支えなければならなくなります。

4 STEVE JOBS.JPG

物理の教科書ではいとも簡単に F=ma と書かれている式にはだらだらとたとえ話をしたことが示されているのですね。トレーニングマシンが開発されたりするずーーっと前の時代に、リンゴが落ちるのを見てこの公式に行き着いたアイザック・ニュートン、脱帽です。(そして昨日、21世紀のリンゴをもたらしたSTEVE JOBSが亡くなりました。齧ったリンゴはオフィスの中でもお客様のところでも大事な働きをしてくれています。感謝。)これがカイザーとどう関わるんだ、カイザーの話はどこにも出てこないじゃないか、とおっしゃる声が聞こえてきます。別に勿体をつけているのではありません。あともう一つ、デニス・カイザーの頭を悩ます課題があるのです。それはまた次回に。

(文責:栢野由紀子)

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